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その7 麻疹(はしか) 今昔

[2019.03.10]



 

 

 

 

 

 

 

 今回は麻疹(はしか)のお話です。昨年からここ10年間で最多のペースで麻疹が流行しています。2007年に大流行して多くの高校や大学が休校になって以来だそうです。最近はワクチンのおかげで麻疹の患者さんをみることが少なくなっています。だからこそ気が付かない間に感染を広げてしまう危険があるのです。麻疹は空気感染するのでマスクだけでは予防できません。免疫がない人が感染するとほぼ全員が発症してしまいます。

 江戸時代にも20数年毎に麻疹の流行がありました。当時原因はわかりませんから予防法や養生の仕方について書かれた「はしか絵」が出版されています(図右)。食べ物はかんぴょうや人参がお勧めで、なんと入浴は50日禁止です!かえって具合が悪くなりそうですね。麻疹にかかるとのどや皮膚がチクチク、ムズムズした感じがし、関西弁の「はしかい」という状態に似ていることから「はしか」と呼ばれるようになったそうです。

 私は学生時代に小児科で担当した麻疹の重症合併症、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)で寝たきりになった女の子のことが忘れられません。今や麻疹は「はしか絵」でなくワクチンで防げる病気です。風疹とともに免疫のない人はぜひワクチン接種をご検討ください。

出典 はしか絵:https://www2.edu.ipa.go.jp/ イラスト:https://takeda-kenko.jp/ 

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