その27 はじめまして
皆様こんにちは。このたび、中島院長の後を引き継ぎ、信楽中央病院の院長に就任いたしました北川と申します。
本日は、初めての院長コラムを投稿させていただきます。
今年は夏が長いと感じていたら、秋が急にやってきて信楽は朝晩に冬の気配すら漂っております。
やはりこれから日本は四季→二季になっていくのでしょうか?
院長に就任して早くも半年が過ぎました。4月に常勤医師が3名に減って季節の移り変わりもおぼろげにしか感じられない忙しさでした。9月に、精神科・心療内科の長谷川医師が着任され4人体制に戻り、ようやくこのような執筆も出来るようになりました。
長らく病院のホームページには小生の紹介文に、「趣味;読書、登山」と書いておりましたが、紹介する機会もなく過ぎておりました。今回から少しづつこのあたりを紹介させていただきます。
まずは秋の夜長に向けて、私のお気に入り文庫本の紹介です。
浅田次郎さん著 講談社文庫から2020年に文庫化された 「おもかげ」 です。
バブルが終焉を迎えた後に、出向先で定年を迎えたサラリーマンが、送別会の席の帰りに地下鉄で倒れ、数日後に帰らぬ人となるまでの数日で、その魂が肉体を抜け出して様々な経験をするお話です。
我々も、突然倒れて具合が悪くなって、予後はあと数日で現在は昏睡に近い、呼びかけに反応されない、という方をよく担当します。
そのような方が万が一にでも、昏睡の間に豊かな精神世界を旅しておられて、その数日間にもしかしたら強い意味があるかもしれない、と思うだけで我々も少し救われます。
当院のような小規模の医療機関に勤務する医療従事者の必読書、と思っています。
この文庫本が発売された翌年、何かの文庫本ランキングで「堂々の2位」という帯封が付いて販売された時期もあり、内心では 「2位だとお?!」 と思っておりました。
数時間で読み切れます。何回読んでも泣きますし、ほっこり、すっきりします。是非お試し下さい。
最後になりますが、秋も深まるこの季節、新たな一歩として院長ブログを始めました。私の趣味である登山での光景とともに、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
